キャリアアンカーに囚われすぎず時には流れてみる

キャリアデザインとキャリアドリフトの違い

キャリアデザインとは、就職や結婚などといったライフステージの転換期に、知識や経験を将来にどう活かしていくかを考えることです。とはいっても、その先の人生で何が起こるかなんて、そのときになってみないとわかりませんよね。人生を変えてしまうほどの何かが起こる瞬間なんて、予想もしてなかったようなきっかけから始まるものです。そこで必要になる考え方が「キャリアドリフト」です。
キャリアドリフトとは、予想外の出来事が起きたときにあえてその流れに身を任せてみるという考え方です。もともと思い描いていたキャリアデザインに戻そうと無理に流れに逆らうのではなく、新しいキャリアデザインの可能性に目を向けてみるのです。今の世の中って、10年、20年先のことなんてとてもじゃないけど読みきれませんよね。3年、5年先どころか1年先のことだってわからないぐらいです。つまり、今考えているキャリアデザインは新しくても、数年後には古いキャリアデザインになっているかもしれないということです。だからこそ、思いがけない流れになってきたときに身を任せてキャリアデザインをアップデートしていくことが大切なんです。

良かったと思えるのはずっと後になることも

どんな決断をしても、これがベストだったって思えるのはずっと先のことです。一度決断したらもう後ろを振り返らずに一生懸命仕事に取り組みましょう。そうやってコツコツ努力と経験を積み重ねていった先に、当初思い描いていたような成長を遂げた自分がいるはずですよ。キャリアデザインを軸としつつもキャリアドリフトで適度に流れに身を任せてできることを頑張っていれば、ある程度成長したときには、「あのとき決断しておいて良かったんだな！」って思えるはずです。努力しているはずなのにうまく成長できないと思うなら、キャリアカウンセリングなどを受けて客観的な意見を聞いてみるのもおすすめです。

理想と現実のギャップは少なからずある

キャリアアンカーを考えることはとても大事なことですが、キャリアアンカーにとらわれすぎてしまうと理想と現実のギャップに苦しむことになります。理想の介護を貫こうとしすぎると、理想どおりにならない現状に不満を抱くようになってしまいかねません。さらに悪いことに、理想の介護を同僚や後輩などに押し付けてしまう場合もあります。「介護はこうあるべき！」「介護人材はこう育成すべき！」というのは自分の中で抱える理想であって、他の人にも同じくキャリアアンカーがあるということを忘れないようにしましょう。そうすれば、理想と現実のギャップからくるストレスを抱えることもなくなります。