キャリアアンカーを無視すると長続きしない
キャリアアンカーに対する誤解から生まれるミスリード
「自分がこう考えているんだから他の人もきっとそうだろう」っていう考えで誤解したりされたりして困るケースって多いですよね。こんな誤解が職場で起きてしまうと現場のパフォーマンスにかなり響いてしまいます。例えば、介護現場のリーダーのキャリアアンカーが「管理職として組織を動かすこと」だとして、他のメンバーも同じ価値観だとすっかり誤解していたとします。そうなると、評価できる成果を出した人へのご褒美が「出世」という形になるかもしれません。でも、管理職ではなく専門職志向をキャリアアンカーにしている部下にとって出世はただ苦痛なだけかもしれませんよね。
このようなキャリアアンカーのすれ違いが職場の居心地の悪さにつながって、転職したい気持ち火をつけてしまう結果になります。リーダーとしては部下のやる気を起こさせるための策だとしても、相手のキャリアアンカーを完全に読み誤っているがためにミスリードしてしまうというわけです。キャリアアンカーを誤解していることすら気づかないリーダーなら「期待していろいろまかせたのに裏切られた」と怒るだけかもしれませんが、同じ職種でもキャリアアンカーは人それぞれ違うということをまったく理解していないリーダーに問題があるともいえますよね。
個人のキャリアアンカーは他人や組織が決めるものではないので、相互理解が欠かせないんです。キャリアアンカーが人それぞれ違うことを理解できれば適材適所が可能になるので、働く個人にとっても人材を育成したい職場にとっても良い結果になります。
介護職に多いキャリアアンカーとは
介護の仕事を選ぶ人のキャリアアンカーで多いのが、「人とのふれあいなどのコミュニケーションから得られる楽しさ」のような部分です。このタイプのキャリアアンカーを持つ人は、出世よりも現場で能力を発揮することに大きなよろこびを感じるので、頑張ったご褒美を出世にするよりも自由に行動できる裁量や時間を与えられたほうがいいパフォーマンスができるんです。もし出世という形でその人が認められるとしたら、その人は途端にやる気を失ってしまうかもしれません。
「仕事なんだから好きなことばかりはできないし、ある程度の我慢は当然」という考え方はもっともなのですが、キャリアアンカーを無視した采配は適材適所を逃すだけで、誰にとってもメリットがないということなんです。それでも頑張ってリーダー格の役割を果たしている人は、現場へ出てサービスの利用者とのふれあいから癒されたりしています。こうして考えてみると、キャリアアンカーを理解するってすごく大切なことですよね。
あなたのキャリアアンカーは?
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働き方を見つめなおすための8つの分類
アメリカの心理学者エドガー・シャイン氏によって提唱されたキャリアアンカーという考え方は、「管理職」「専門能力」「安全や安定」「創造性」「自立と独立」「奉仕・社会貢献」「チャレンジ」「生活様式」の8つの傾向に分類されています。自分のキャリアアンカーを見つけるための最初のステップとして、これら8つの分類に自分の傾向を当てはめてみましょう!そうすることで、スムーズに自己分析を進めることが可能になります。
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